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海外の紛争・災害などに対して、医師や看護師などの職員を派遣し、国境や宗教、人種を超えて人の命と健康、尊厳を守る活動に取り組んでいます。
2019/09/21
赤十字は、191の国や地域に広がる世界的ネットワークを生かし、人びとの苦痛を軽減し、予防するためのさまざまな活動を行っています。
紛争や自然災害時における緊急救援だけでなく、その後の復興支援とその回復力を培う長期的な開発協力という流れで包括的に取り組まれています。
人道問題に対する国民の理解と関心を高める国際人道法の普及もまた重要な役割の1つです。
緊急救援や復興支援と比べて、耳にすることの少ない開発協力とは、コミュニティー(地域社会)のニーズや脆弱性、そして強みを理解し、そこに暮らす人々を中心に据えてレジリエンス(回復力)を強化することを目指すものです。
日本赤十字社では、赤十字がもつ世界的ネットワークと知見を活かし、「自然災害への備え」と「疾病の予防」という2つに焦点をあて、開発協力事業を展開しています(日本赤十字社HP参照)。
「常に世界のどこかで紛争や自然災害が起こっています。一番大きな影響を受けるのは小さな子どもたちです。助産師としての知識と経験は、苦しむ子どもたちを救うために必ず役に立つと思います・・・」四半世紀前の本社会議室、自信たっぷりに、内心ではドキドキしながら面接管に訴えました。
国際救援・開発要員基礎研修会及び語学研修選考面接でのことです。
その結果(?)、研修終了後ほどなくしてきまったのは、カンボジアとの二国間開発協力事業(母子保健事業)でした。
「NHK海外たすけあい」によせられた皆様からの募金等を基に、カンボジアにおける母子保健医療の改善をめざし、地域での啓もう活動や巡回予防接種、入院による妊産婦の安全な分娩の促進、スタッフ教育、新病棟の建設等、幅広い活動への取り組みでした。
「助けてあげよう」と勇んで赴いた私ですが、初っ端に「自分は何も知らない・できない」ことを痛感させられ、「自分の価値観を押し付ける援助は、自己満足以外の何物でもない」ことに思い至らされたファーストミッションでした。
毎夏、日赤和歌山医療センターが開催している熱帯医学研修を初めて聴講した時、「カンボジア行く前に教えてほしかった…」と思わずうなってしまいました。
カンボジア以降、スマトラやハイチなど数ヵ国で活動してきましたが、子どもたちの健康を守るための予防接種や衛生教育などまだまだ必要です。
人間は、右の手で戦争をして人を殺し、
左の手で赤十字をつくって人を助ける
あなたは、その両手でなにをしますか?
国際活動における私たちの役割は、診療活動にとどまらず多岐にわたります。
今後は、これまで赤十字の一員として培った知識と経験を、将来国内外のフィールドで活動することを目指す皆さんのために活かしていきたいと考えています。
日本赤十字社和歌山医療センター 国際医療救援部
「和歌山から世界へ」では、様々な国際活動をレポートしていきます。出発式のほかにも、現地での活動、帰国報告会、国際人道法や語学・熱帯医学などの研修風景などをお届けします。乞うご期待!