病院では医師、看護師、助産師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、診療放射線技師、臨床工学技士などいろいろな専門職が集まり、日々の治療を支えています。患者さんの身体も心もケアできるようにと、日々努めている仲間たちを紹介します。

第1回:ママさん看護師 ~子どもと一緒に成長する~

2019/06/21

四国・愛媛県で生まれ育った神谷雅子さん。2004年に日赤和歌山医療センターへ入職。産休や育児短時間勤務を活用し、小学3年生を筆頭に下は1歳まで、4人の子どもを育てるママさんナースです。

 

 

院内保育所「あすなろ保育園」に4人の子ども全員が通園。保育園の手助けも受けながらキャリアを積み上げてきた神谷さん。「看護師を続けられているのは充実した福利厚生と院内保育園があること、そして周りの皆さんに助けられているおかげです」と笑顔でインタビューに答えてくれました。

 

 

これまでのキャリアを教えてください

 

眼科から始まり、ICU、消化器、耳鼻科と変わり、今は混合病棟です。

育休を取得しても半分が勤続年数に含まれる制度があり、子どもを生みながらもキャリアは途切れません。休みながらも勤続10年を迎えられたときは感慨深かったですね。

 

 

 

勤務日のスケジュールを教えてください

 

5:00 起床、旦那様の送り出し、子どもたちの準備/朝食

7:20 子どもといっしょに家を出る

9:00 院内保育所に2人の子どもを預け、勤務スタート

16:00 退勤、保育園へ迎えに行く

17:00 帰宅 ※学童のお迎えは旦那様が担当

 

あすなろ保育園はお迎えの時間が18時30分と決まっていますが、事情をわかってくれているので遅れても預かってくれます。夜勤のときは宿泊もお願いできます。

 

 

朝は寝坊することもあります(笑)。すごくバタバタしていますが、小学生は自分たちで歩いて学校へ行ってくれますし、保育園は院内なので助かっています。日常の買い物は休日にまとめてしています。

 

上のふたりの子どもは放課後と夏休みなどの長期休みは学童へ。実母が同居しているので、学童の送りはお願いすることもあります。ただ、まだ実母も仕事をしているので丸投げできるわけではないので、夫婦と実母でシェアしながら乗り切っています。

 

 

あすなろ保育園はどんな保育園ですか?

 

本当に母親に寄り添ってくれる保育園です。

今も16時に退勤となっていますが制服を着替えたり、そのタイミングで忙しかったりもするので、ぴったり帰れるわけではないのですが、連絡すれば預かってもらえます。

 

子どもの晩ごはんも事前に申し込んでおけば食べさせてもらえます。カレーやツナチャーハンなど、子どもたちが喜ぶメニューにしてくれていて。自宅のごはんはなかなか幼児に合わせたメニューにできないのでありがたいです。

 

もうひとつ、すごく助かっているのは子どもの体調が悪くても病児保育室へ預けられること。わたしも月に1回はお世話になっています。

 

また、勤務中に子どもの体調が悪くなっても、保育園の保育士さんが手続きして小児科受付まで連れてきてくれるので、勤務中に行けるなど、病院ならではのメリットがあります。そんなこともあって、下の3人はこの病院で産んでいます。

 

 

育児短時間勤務制度や、産休・育休の取得経験を教えてください

 

今は16時に退勤しています。

通常は17時30分です。朝夕どちらも育児短時間勤務を取得できます。

 

 

子どもを産むたびに1年くらい休んでいますが、2人目の子どもまでは育短を取っていませんでした。第一子のときは、時代背景としてまだ育児短時間勤務が浸透しておらず、自分自身が育短を取ることをイメージできなかったことや、院内保育園があってお迎えの時間も柔軟に対応してくれるので「まだ頑張れる」と思ってしまっていました。

 

 

けれど、周囲からは「どうして取らないの」と心配していただいたり、自分でも「しんどいな」と思うこともあったり。きちんと制度を使って、周りに相談しながら育てていくのがいいなと今は思っています。

 

 

制度以外にも職場からのサポートもありますか?

 

周りの人からいろいろなことを教わり、助けてもらっています。

制度や保育園のことも、周りにいる人たちが「こういうのあるよ」と教えてくれました。子どもを育てていると遅刻や早退も多くなってしまい申し訳ないのですが、「気にしないで」と言ってくれます。

 

「看護師の代わりはいても、親の代わりはいない」とよく言われます。

子どもが大変な時期は安心して休めるようなサポートがあり、心強いです。

 

 

また、子どもを育てることだけでなく、自分自身のスキルアップや勤続できるようにと気を配ってもらえているのを感じます。研修なども子育て中でも参加できますし、環境は整っています。

 

わたしもラダーシステムにのってもっと上がっていきたいという気持ちもありますが、下の子がまだ1歳なので、今は力を蓄える時期だと割り切っています。周囲には恵まれていると思うので、将来は自分の夢を叶えたり、後輩が子どもを産みやすい職場をつくったりしていきたいと思っています。

 

 

病棟内で休みやすさ、働きやすさの工夫はありますか?

 

「デイパートナー」という体制が採用されていて、パートナーの看護師と二人一組で病棟を回っています。日常的に受け持ちの患者さんの情報を共有しながら進めているので、子どもの小児科受診などで職場を離れるときはパートナーがサポートしてくれます。皆で仕事をシェアしやすい仕組みだなと思います。

 

 

これから子どもを産み育てる看護師さんに向けてメッセージをお願いします

 

産休・育休から復帰後に思ったように仕事ができなかったり、子ども中心の生活で自分のスキルアップまで手が回らなかったり、壁に当たったような気持ちになることもあると思います。仕事と子どものいる生活のバランスが取れず、悩むこともあります。でも、辛さやもどかしさは皆にあって、全然完璧でないわたしも何とかできています。

 

日赤和歌山医療センターは、子どももママも応援してくれています。子育てをしながら研修も受けられ、自分の中に夢があれば、それに向かって進むことができます。目指すべき先輩看護師の姿も多く見られるので、とても刺激になります。

 

これから後輩たちがもっと子どもを産みやすいように環境を整えていきたいと思っています。しっかり働いて、看護師としてのスキルアップも諦めず、子どもを楽しく育てていってください。

 

 

神谷 雅子(かみや まさこ)

2004年4月入職。一人目の育休期間は11ヵ月。二人目は11ヵ月、三人目は1年1ヵ月、四人目は10ヵ月。

認定状況は、赤十字キャリア開発ラダー(実践者ラダーレベルⅡ)、赤十字救護員研修を修了。

興味のある分野は、災害医療、病棟看護。

 

 

 

 

 

 

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