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病院では医師、看護師、助産師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、診療放射線技師、臨床工学技士などいろいろな専門職が集まり、日々の治療を支えています。患者さんの身体も心もケアできるようにと、日々努めている仲間たちを紹介します。
2019/06/21
系列の専門学校から日赤和歌山医療センターに入社して6年目の栖井智聡(すい ちあき)さん。同僚の男性看護師も年々数が増えており、インタビュー時には院内に約50人の男性看護師が在籍。とはいえ、まだまだ少数派の存在のため、看護師以外の男性コメディカルスタッフとも積極的にコミュニケーションを取っているとのこと。
看護師を選び、働き続けているモチベーションや、急性期病院を選んで働いている理由、そして将来のビジョンについてお答えいただきました。
男性看護師は珍しい存在といえると思うのですが、看護師となったきっかけを教えてください
最初は看護師と決めておらず、「体に触れて治してあげる」仕事がいいなと漠然と思っていました。高校生時代にバレーボール部の練習でケガをして整骨院にお世話になっていたこともあり、そのような道もいいかなと思っていました。
けれど資格を取るまでの学費が高いこともあり、家庭の経済的な事情も含めて考えた結果、看護師にしようと心が決まり、日赤の看護専門学校に入学しました。
看護師を選んでよかったですか?
そう思っています。
専門学校に入学した段階で後戻りはほぼできないのですが…(笑)。入学して間もなく、看護師としての"やる気スイッチ"が入る出来事があり、それが今でもいちばんのモチベーションになっています。
入学してすぐのゴールデンウィークだったのですが、祖母が病気で急性期病院にお世話になりました。無事に祖母は回復して、そのときのドクターやコメディカルスタッフの皆さん、そして病院が受け入れてくれたことに対して、すごく感謝の気持ちが湧きました。今も忘れられませんし、自分自身が"どう働くか"を考えるときに、そのときの経験や感情がベースになっていると思います。
今の仕事内容を教えて下さい。その中で女性看護師と違う役割を求められることもありますか?
今は脳神経外科病棟にいます。
仕事内容は男性だからという理由のものはほとんどないと思います。ほとんどが女性ですが、先輩にも男性はいます。みんなで一緒にいろいろな仕事をしています。
2年前にリーダーとなってからは、全体の情報共有に気を配ったり、ドクターと話をしたりする機会が増えました。立場が変わることで求められる役割が変わることはありますが、男性だからやっていることというのはあまりないですね。
男性として悩みが生まれたときは、年齢の近い男性看護師や男性のコメディカルスタッフに相談することが多いです。大きな病院なので、男性もたくさんいるので助かっています。
普段の仕事の中で、大切にしていることは何ですか?
患者さんやご家族の皆さんとできるだけ話をするようにしています。
状態が大変な患者さんもいますが、顔を出して話し始めると、けっこうしゃべってくれる方もいます。コミュニケーションをとることで患者さんにとっても、いい影響が出るといいのですが…
患者さんの様子やご家族のことがよくわかるので、自分にとって大切な時間です。ただ、勤務時間でその時間を割くのは難しいので、勤務時間外に病室に足を運んでいます。誰かに言われたわけではなく、自分なりの工夫です。
最初は寝たきりだった患者さんがリハビリなどをこなして元気になると、退院・転院となり、わたしたちは会えなくなります。患者さんにも、ご家族にも。急性期病院にいると仕方のないことですが、会える間にコミュニケーションを…と思っています。
急性期病院で感じるやりがいはどのようなものでしょう?
とにかく急性期病院には次々と重症の患者さんが来られます。
それは急性期病院にいるから経験できることで、それがいちばんのやりがいです。
確かに忙しいですが、忙しいということは、たくさんの患者さん、たくさんのケース・症状を見られているということです。積み重ねるほど自分の自信になります。
日常生活での楽しみは何ですか?
福利厚生でクラブ活動があるのですが、それが楽しみです。
趣味がランニングなので駅伝部に入っていて、マラソン大会に出ることもあります。
リフレッシュしたいときは、和歌山は海がすぐ近くにあるので、車で海に遊びに行ったり、散歩に行ったりします。海でゆっくり過ごして、気分転換しています。
将来に向けたキャリアアップについて、考えていることはありますか?
看護師のキャリアアップといえば、専門看護師や認定看護師になることです。先輩方からも「もっとラダーシステムの上を狙ってみたら」と言われることも。ただ、その資格を取るまで大変ですし、努力も相当必要です。
わたしがやりたいなと思っているのは在宅や訪問看護です。急性期病院の患者さんは短期間で退院したり転院したりしていくので、患者さんを「最期まで見届けたい」気持ちがどうしても心の中に生まれてしまって…。患者さんにずっと寄り添っていられる看護もいいのではと思っています。
看護師を目指す男性の皆さんにメッセージをお願いします
男性看護師なら急性期病院にまず入職して、できる限り多くの症例を見るのがいいのではと思います。若くて体力のあるうちに、とにかくたくさんのケースを見ることで、経験値が変わってきます。経験を積んで自信をつけて、自分なりの看護を模索していってください。
栖井 智聡(すい ちあき)
2014年4月入職。
認定状況は、赤十字キャリア開発ラダー(実践者ラダーレベルⅠ)、赤十字救護員研修を修了。
興味のある分野は、在宅医療、訪問看護。
「和歌山で働く 日赤で働く」では、様々な職種のスタッフの働きぶりを紹介しています。
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