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海外の紛争・災害などに対して、医師や看護師などの職員を派遣し、国境や宗教、人種を超えて人の命と健康、尊厳を守る活動に取り組んでいます。
2019/12/21
〈国際活動への派遣〉
2019年は当センターから延7名の職員を、海外での救援活動等に派遣しました。
2017年から始まったバングラデシュの難民への医療救援では、今後も現地スタッフが主体となって医療活動を維持できるよう、現在は主に技術指導をはじめとしたスタッフの能力強化への支援を続けています。
2019年3月には南部アフリカ・モザンビーク共和国に大型サイクロンが直撃し、600人以上が亡くなり14万人以上が住む場所を失う甚大な被害をもたらしました。
各国赤十字社が給水・衛生チームの派遣や仮設病院出動などの支援を行う中、日本赤十字社からは、当センターの感染症内科部医師がコレラ治療センターで被災地の感染治療および予防活動に従事しました。
また、中東地域の長引く情勢不安に対しても支援を継続中で、今年はレバノンとパキスタンに職員を派遣しました。
〈災害医療救援センターの発足〉
当院では、2019年4月より災害医療救援センターを立ち上げました。
和歌山県の総合災害医療センター(災害拠点病院)と、日本赤十字社国際医療救援拠点病院という2つの機能を併せ持つ当院では、この災害医療救援センターの活動を通じて、国内救護・国際救援の枠組みを超え、院内一体となって災害対応を行っていきます。
〈日本赤十字社「病院ERU」の整備に向けて〉
1990年代後半、より迅速で最も効果的な保健医療サービスを提供するため国際赤十字・赤新月社連盟は「緊急対応ユニット(Emergency Response Unit)」を導入しました。
日本赤十字社は、これに対し「基礎保健(診療所)ERU」を整備し、およそ20 年にわたり緊急救援に対応してきましたが、大規模な自然災害等の人道危機が多発する昨今の状況を踏まえ、平成30年度、ERU を診療所レベルから病院レベルに機能拡張し、「病院 ERU」を整備することを決定し準備を進めています。
2019年11月には大阪府高槻市にて病院ERUの実証展開を行い、当センターからも医師2名・看護師3名・薬剤師1名・事務職員3名が参加し、機能の検証および課題の抽出等を行いました。
平成から令和へ。
2020年も、当センターは日本赤十字社の一員として、国際赤十字・赤新月活動を続けます。
12月は毎年、NHKと日本赤十字社では、世界で苦しんでいる人々を助けるための「海外たすけあい」キャンペーンを実施しています。上記の日本赤十字社へのリンク先もごらんください。
日本赤十字社和歌山医療センター 国際医療救援部
「和歌山から世界へ」では、様々な国際活動をレポートしていきます。出発式のほかにも、現地での活動、帰国報告会、国際人道法や語学・熱帯医学などの研修風景などをお届けします。乞うご期待!