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海外の紛争・災害などに対して、医師や看護師などの職員を派遣し、国境や宗教、人種を超えて人の命と健康、尊厳を守る活動に取り組んでいます。
2019/07/20
看護専門学校を卒業して5年たった1985年、エチオピアで6か月間活動する機会を得ました。
海外での生活ゼロ、飛行機搭乗経験1回の私にとっては大きなチャレンジでした。
出発までの6か月間は、Chance(チャンス)、 Challenge(チャレンジ)、 Change(チェンジ) とつぶやきながら、エチオピアで起こっていること、赤十字が行っている活動を掴み、自分のすべきことを考えて準備をしていました。
国際赤十字・赤新月社連盟代表団の一員としての派遣であったため、各国赤十字社から派遣された多職種のメンバーとの協働する日々でした。
最初の4か月間は干ばつ被災者キャンプ内の給食センターや診療所で子供たちの健康管理を担当、残りの2か月間は配給センターを拠点にして食料配給と保健活動と活動評価のための健康調査を行いました。
給食センターでの活動や村落巡回による食糧配給の経験を通して、赤十字の基本原則の意義を再確認しました。
支援の対象となる5歳以下の子供の栄養状態によって、給食を受けられる回数や配給される食糧が決まっていました。
それを忠実に実践するボランティアスタッフの公平・中立に徹した行動に「赤十字の基本原則の具現化」を見出しました。
また、月に1回開催される代表団のミーティングにおいて「レッドクロスポリシー(赤十字の方針)は・・・」と議論しながら活動を進めることが受益者や支援者からの信頼につながることを実感し、赤十字の一員でいることに誇りをもち、「赤十字人」としての大きな一歩になりました。
代表団の方々は、救援現場という限られた環境で自分の気持ちをコントロールすることの大切さを教えてくれました。
あれから34年、国際医療救援拠点病院が誕生し、緊急対応ユニット(ERU)の開発や要員研修の充実など、赤十字の国際救援活動は進化を続けています。
より高い専門性やリーダーシップ・マネジメント能力を求められていますが、活動の本質は「苦痛を予防する」ことで変わっていません。
当時の活動報告に「食べ物さえあれば、子供たちは子供らしく生き生きしていられる」と記した私の言葉がそれを物語っていると思います。
私たちの活動は、すべての人の「生き生きとした笑顔」を守るためだと信じています。
「和歌山から世界へ」では、様々な国際活動をレポートしていきます。出発式のほかにも、現地での活動、帰国報告会、国際人道法や語学・熱帯医学などの研修風景などをお届けします。乞うご期待!
日本赤十字社和歌山医療センター 国際医療救援部