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県下初 左心耳(さしんじ)閉鎖療法を開始

2022年01月26日

1月から、循環器内科で「左心耳閉鎖療法という新しい治療を開始しました。

不整脈の1つである心房細動が頻繁におこると、心臓内部で血栓ができやすくなります。心房細動でできる血栓は比較的大きい場合が多いため、血流にのって脳へと届き、脳血管を詰まらせる脳梗塞になると、広範囲で障害が生じます。そのため、死亡リスクも高く、運よく救命できたとしても重い後遺症から介護生活を余儀なくされる方も多いため、それを予防する治療法がのぞまれていました。


2019年9月に、心臓の内部で血栓を生じさせやすい左心耳(さしんじ)という小さな窪みに、WATCHMANTMという膜のついたステントをカテーテルで挿入し、窪みを塞いでしまうことで血栓をつくらせない閉鎖療法が登場しました。この治療を実施するには、日本循環器学会の認定が必要で、2022年1月1日時点での認定施設数は129と、実施施設も少ない新しい治療法です。和歌山県では、当医療センターが初導入となります。

この治療の適応は、非弁膜症性心房細動があり、脳梗塞のリスクが高く、抗凝固療薬を服用しなければならないが、消化管からの出血があったり、出血リスクが高いため抗凝固療薬を長期間服用できないなどの状態にある患者さんが対象です。健康保険が適用され、手術時間は2時間程度で、入院期間は約5日間です。経過が順調であれば、退院後しばらくするとスポーツや就労などの社会復帰も可能です。